2017年の夏は、天候が非常に不安定でした。ずっと日差しが強く、暑い毎日が続き、梅雨の時期なのに雨が少ない……。
そうかと思えば、8月末になると急に涼しくなり、東京は毎日雨が降りました。21日連続の降雨は観測史上2番目の長さ、1カ月のうち27日も雨が降ったのは史上最多日数だったようです。
そして9月に入り、秋を迎えたところで気になるのは、やはりお肌の状態。皆さん、秋に入ると急にお肌が荒れたりしませんか? 特に乾燥肌が気になりますよね。
なぜ秋になるとお肌が乾燥するのか。そして、秋の乾燥肌には、どう対処すればいいのでしょうか。
今回は秋の乾燥肌の原因と対策をご紹介します。
目次
春夏秋冬・季節ごとに異なる乾燥肌の原因とは?
肌荒れは、女性にとって大きな悩み。特に乾燥肌は、肌荒れの最大の要因のひとつです。
まず「なぜ乾燥肌になるのか」という仕組みについては、こちらの記事をご参照ください。
「寒い日が続いて肌がカサカサに・・・乾燥肌を解消する3つのポイント」
この記事にもあるとおり、お肌にとって「水分を保つこと」「保湿」はとても重要です。
ただし、乾燥肌を生み出す要因は季節によって異なります。特に日本は、四季がハッキリしているので、季節による違いは大きく、お肌についても季節ごとの対応が必要です。
そこで、まずは春夏秋冬・季節ごとに陥りやすい乾燥肌と、その原因を挙げてみましょう。
冬のお肌
- 最も乾燥肌の症状が出やすい季節。空気中の水分が少ないため、お肌の水分も失われてしまう。
- 寒いからといって熱いお風呂に入り続けていると、角質層がゆるみ、肌が乾燥して体がかゆくなったりする。
春のお肌
冬から春への季節の変わり目は寒暖差が激しく、お肌の水分と油分のバランスが崩れて、肌が乾燥しやすくなる。
- 湿度が低く、また紫外線が徐々に強くなる季節なので、お肌も乾燥しやすい。
夏のお肌
- 気温が上昇し、汗をかくことで体内の水分が放出され、保湿成分も失い、肌が乾燥してしまう。
- 強い紫外線を浴びるとメラニン色素が増えて、シミ・そばかす、黒ずみが増える。
- 夏のお肌について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
「強い日差しに注意! シミ予防・日焼け止め・紫外線対策・・・太陽光と自律神経の関係は?」
秋のお肌
- 春と同じく、季節の変わり目で寒暖差が激しいため、お肌の水分と油分のバランスが崩れて、肌が乾燥しやすくなる。
- 湿度が低くなるうえ、乾燥した風が吹くので、その風を浴びたお肌もカサカサに。
- 夏の紫外線の影響が残っており、新陳代謝の低下=ターンオーバーが起こりづらくなって、肌が乾燥したまま……。
いかがでしょうか? どの季節も乾燥肌になりやすい要因を抱えています。そのなかで、秋の乾燥肌が他の季節と違うポイントは、「夏の影響が残っている」という点でしょう。
そのため、もちろん夏にお肌対策を行っておくことも重要ですが、もし対策ができていなかったという方は要注意。
さらに秋特有の乾いた風も加わるため、他の季節よりも乾燥肌になりやすい季節であり、注意が必要だと言えるのです。
こんなに変化する! 日本の湿度
日本では1年の間に、どれだけ気温と湿度が変化するのでしょうか?
参考までに、気象庁が発表した2015年のデータをご紹介します。
東京の湿度の推移(月別/気象庁ホームページより)
月 | 平均湿度 | 最小湿度 |
1月 | 52% | 16% |
2月 | 59% | 12% |
3月 | 57% | 14% |
4月 | 71% | 25% |
5月 | 62% | 12% |
6月 | 75% | 22% |
7月 | 80% | 42% |
8月 | 78% | 42% |
9月 | 79% | 22% |
10月 | 66% | 22% |
11月 | 74% | 17% |
12月 | 57% | 22% |
この表を見ると、1年間を通じて湿度の変化が激しいことが分かります。これでは何も対処しないと、お肌の水分も安定しませんよね。
季節ごとの湿度を考えた場合、「最小湿度」を比較してみてください。7~8月、つまり真夏の最小湿度は40%ですが、9月に入ると一気に20%台、真夏の半分まで下がってしまいます。
これが、夏の影響+秋特有の乾燥=秋は最もお肌が乾燥しやすい季節、と言える要因です。
もし秋の乾燥肌を放置しておくと・・・
秋の乾燥肌を放置しておくと、反対にお肌に脂分が溜まってしまうことがあります。
人間の体はよく出来ているもので、お肌がカサカサになると脳から「カサカサにしてはいけない!」という指示が飛び、体内から汗や脂分を排出してお肌を保湿しようとします。
ただ、もともと保湿を怠っていると、汗や脂分が過剰に分泌され、反対にお肌がベトベトになってしまうことがあるのです。
カサカサ、ベトベト、女性にとってはどちらの状態も避けたいですよね。
さらに、秋の乾燥肌は次のような症状も引き起こしてしまいます。
- 肌荒れ:しわ、くすみ等
- 肌の炎症:かゆみ、腫れ等
- ひび割れ:感染症を誘発する
このような状態に陥らないためにも、秋の乾燥肌を防ぐポイントを抑えておきましょう!
秋の乾燥肌・予防と対策3大ポイント
秋の乾燥肌を予防するためのポイントは、次の3つです。
- 生活習慣の乱れを整える
- お肌に良い食事を心がける
- 保湿を考えたスキンケア
生活習慣の乱れを整える
文字どおり「睡眠不足はお肌の大敵」。お肌の新陳代謝に大切な成長ホルモンは、寝ている間に分泌されるからです。
皆さん、夏の間に生活習慣が乱れていませんか? 夏休みともなれば、ついつい夜更かししてしまいがち。すると、普段の生活リズムに戻すのも難しくなります。
仕事、学校、家事……女性は1日にやることも多いので、もし夏の間に生活習慣が乱れている方は、ぜひ生活リズムを整えることから始めてください。
お肌に良い食事を心がける
生活習慣と同様に、食生活も夏の間に乱れていませんか? 冷たい飲み物、アイスクリームなどの甘い物……夏は日常で摂取するものプラス、他の食べ物・飲み物を摂ることが多くなりますよね。
さらに秋は“食欲の秋”と言われるほど、美味しいものがあふれる季節。でも、夏に食生活が乱れていたら、秋に入る段階でその乱れを整えておかなくてはいけません。
一方で、秋はお肌に良いとされる素材が多い季節でもあります。
秋に摂りたい食べ物・例
ビタミンC…柿、リンゴ、ブドウ、れんこん
- ビタミンB群……サンマ、サツマイモ、キノコ類
※これらの食物のなかには、ビタミンEが多く含まれているものもあります
保湿を考えたスキンケア
乾燥肌の予防・ケアのために最も大切なのは保湿です。そして、保湿のためには日頃のスキンケアが欠かせません。
お肌に良いスキンケアのポイントは、次のとおりです。
- お肌に合ったクリーム、洗顔料などを選ぶ
- 角質を傷つけないよう、洗顔ではゴシゴシ顔をこすらない
- まだ日差しが強いので、UV(紫外線)対策を行う
- 適度なマッサージでお肌の血行を良くする
上記のポイントは、あくまで一般的なものです。
たとえば、どのスキンケアが自分に合っているのか、洗顔はどの程度の強さで顔をこすればいいのか、マッサージはどれぐらいが適度なのか……。
これらの“程度”には個人差があり、「どれぐらいが正しいか」は一概には言えません。
もしご自身でスキンケアを試して、反対にお肌が荒れてしまった場合。あるいは、お肌が荒れることが怖くてスキンケアに取り組むことができない方は、ぜひ一度、プロのエステティシャンにご相談ください。
お客様ごとのお肌の状態を見ながら、最適なスキンケアをご提案いたします。