皆さん、「夏太り」という言葉を聞いたことがありますか?
文字通り、他の季節はそれほどでもないのに、なぜか夏になると太ってしまう現象を「夏太り」といいます。
「夏だと汗をかくので痩せやすいのでは?」
「冬や春についた脂肪を夏に落とそう!」
なんて思っている方も多いかもしれません。
しかし、「夏太り」の原因は意外なところにあるのです。
目次
夏太りの3大要因
夏だけ太ってしまう理由としては、次の3つが挙げられます。これらは日常生活のなかに原因があるものばかりです。
- 基礎代謝が落ちる
- 運動不足・カロリー過多
- 冷え・むくみ
基礎代謝が落ちる
「痩せるためには基礎代謝を上げたほうがいい」なんて意見をよく聞きますよね。代謝のなかでも「基礎代謝」とは、人間が何もしていない状態でも消費されるエネルギーのこと。
私たちはじっとしていても、内臓は動いたり、体温を保ったり、呼吸をしたりと、常にエネルギーは消費されているのです。
でも、夏は暑いから体温調節のために汗をかく、つまり基礎代謝も上がるのでは? と思うかもしれません。
こちらの記事でも書いたとおり、確かに汗をかく仕組みでいえば、そのとおりです。
ところが、実は冬のほうがエネルギーを多く使っていることをご存じですか?
夏は暑いといっても、気温は30度前後。猛暑日でも35度ぐらいです。これは人間の体温(36度)とほぼ同じ。
対して冬の気温は、たいてい20度を下回るため、人間の体は適正な体温を守ろうと、気づかないところでエネルギーを大量に消費しています。これが基礎代謝です。
結果、何もしなければ夏は自然と、冬と比べても基礎代謝が落ちてしまうのです。
カロリー過多と運動不足
夏になるとジュースやアイスばかりを食べているので太ってしまう……。
そう考えている方も多いでしょう。もちろん、決して間違いではありません。
とはいえ、水分補給や、体温を下げるために冷たいものを食べるのは、暑い夏では必須です。
問題は、ジュースやアイスなどで摂り過ぎたカロリーを消費するだけの、運動量が不足していること。
外は暑いからといって、仕事でもプライベートでも、出かける回数が減っていませんか? 外を歩く時間が減っていませんか?
冬よりもカロリーを多く摂取するのに、一方で運動量が減っていては、太るのも仕方ありません。
冷え・むくみ
夏太りの原因に、実は冷えやむくみがあります。意外に思った方も多いかもしれませんが、それは夏の冷房が原因です。
今は通勤に使う電車でも、仕事中の会社でも、ランチを食べに行ったお店でも、女性にとってはクーラーが効きすぎていると感じることが少なくありません。すると冬と同じぐらい体が冷え、結果的に冷え性に悩まされてしまいます。
冷え性が解消されないと、代謝も落ちますし、便秘で苦しんだり、血流が悪くなって体がむくんだりします。むくみは余計な水分が体に溜まっている状態でもあり、夏に太るのは水太りイコールむくみであることも多いのです。
夏太りが解消されないと・・・
夏太りを解消しないまま秋を迎えてしまうと、女性にとっては厳しい現実が待ち受けています。
秋は季節柄、夏についた脂肪が落ちにくいのです。
気温も涼しくなるので、夏ほど汗をかかない。でも食べ物が美味しい季節……ついつい食べ過ぎてしまう。夏に太ったまま秋になっても体重が落ちないか、あるいはさらに太ってしまう女性も多いようです。
そのため夏太りは、予防はもちろん、もし太ってしまっても夏の間に解消しなければならないのです。
夏太りを解消するための3つのポイント
夏の間に夏太りを解消するためのポイントは、次の3つです。
- 適度な運動を欠かさない
- カロリー摂取量を抑える
- 冷え対策:自律神経を整える
適度な運動を欠かさない
季節を問わず、適度な運動は必要です。
特に運動によって筋肉量を増やすことで、基礎代謝は上がります。ただし水分補給を怠ると熱中症にもなりますので、ご注意を。
木々が生い茂った公園でのジョギング・ウォーキング、あるいはプール、室内でのヨガは、夏に適した運動でしょう。
カロリー摂取量を抑える
「夏はスタミナをつけなければ」なんて言いながら、カロリーが高いものばかりを食べていてはいけません。また水分補給といっても、ジュースなど糖分の高いものだけ飲むのはNGです。
飲み物も冷たすぎると、内臓を冷やしてしまうため、基礎代謝も下がってしまいます。水分補給のためは、できるだけ冷えすぎていないミネラルウォーターや、カフェインが少ない麦茶などがオススメです。
冷え対策:自律神経を整える
冷え性は、体の血流が悪くなることで起こります。その血流には、自律神経と女性ホルモンのバランスが大きく関わっています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
夏になると外に出れば暑い、でも室内にいると寒すぎる。女性にとっては、そんなイライラがつのる季節かもしれません。
けれどイライラは自律神経にとって大敵です。まずはしっかり質の高い睡眠がとれる環境を整えてください。寒いからといって全く冷房を効かせず、暑いから眠れない……という状態に陥ってしまうのは逆効果です。
冷え性を解消するためには、まず体質改善から始めましょう。
体の外側から温めるだけでは効果がありません。マッサージによって血流を良くすると、ひいては自律神経や女性ホルモンのバランスも整えられ、冷え性も改善されます。
冷えによる夏痩せもある!?
ここまで「夏太り」の原因と解消法を書いてきましたが、最後に夏太りの原因である冷え性が、なんと「夏痩せ」の原因でもあることをお伝えしたいと思います。
冷え性の原因のひとつに、自律神経のバランスの乱れがあります。
自律神経が乱れると、内臓機能も弱まり、食欲も減退して結果的に痩せることがあります。
反対に、夏痩せすると皮下脂肪も減ってしまうため、冷え性につながる要因にもなります。
結果、自律神経の不調と冷え性によって、体重が増えては減り、減っては増え……という悪循環に陥る可能性もあるのです。
夏太りや夏痩せを予防するためにも、自律神経のバランスや冷え性に注意しながら、規則正しい生活を送ることを心がけましょう。
それでも、どうしても夏太りや夏痩せが解消されないという方は、ぜひプロのエステティシャンにご相談ください。