起立性調節障害という言葉を聞いたことはありますか?
思春期に多い身体的な病気であり、場合によっては不登校の原因にもなりえるといいます。
心身共に大きく発達する思春期においてどのような影響を及ぼすのか、今回は起立性調節障害という病気に注目していきます。
病気の原因や症状、対処法などを中心に紹介しましょう。
目次
起立性調節障害とは
起立性調節障害とはどのような病気なのか、原因や症状などを合わせて解説します。
起立性調節障害ってどんな病気?原因は?
起立性調節障害は、自律神経に異常が起きることで循環器系の調節がうまくいかなくなるという病気です。
立ち上がったときに立ちくらみを感じたり、心拍数が上がりすぎたり、正常に戻るまでにしばらく時間がかかります。
小学校高学年から中学生にかけて発症しやすい病気になり、第二次成長期を迎える頃でもあります。
身体がどんどん大人へと成長していく時期になり、自律神経においても同じように変化が生じることがあるのです。
自律神経が刺激されることで、起立性調節障害を起こしてしまいます。
また、起立性調節障害は、真面目で周りに気を遣うタイプの子どもがなりやすいという特徴もあります。
このような性格の子どもはストレスを溜め込みやすく、家庭環境や友人関係などが影響しているなどの恐れがあるでしょう。
起立性調節障害による症状とは
起立性調節障害によって、どんな症状が現れるのか見てみましょう。
- 立ちくらみやめまいがする
- 食欲不振である
- 青白い顔をしている
- 腹痛がある
- 頭痛がする
- 倦怠感がある
- 乗り物酔いしやすい
- 動悸や息切れを感じる
- 朝なかなか起きられない
- 立ち上がったときに気分が悪くなる
- 入浴時に気分が悪くなる
一見、風邪や疲れと思われがちな症状が多いですが、明らかに今までとは様子が違うと感じたら、病院に連れていってあげましょう。
朝なかなか起きられないため学校に行けないまたは遅刻するという状態が続いて、不登校になってしまう子どももいます。
小学校高学年から中学生というと、勉強や友人関係、運動面などにおいて大きく成長する時期です。
毎日元気に登校できるよう、親が日頃から様子を見てあげることが大切なのです。
起立性調節障害の対処法について
心身共に大きく成長する思春期において発症しやすい起立性調節障害は、日常生活の中で以下の点に気をつけながら過ごすことで改善が期待できます。
水分と塩分をしっかり摂取しよう
起立性調節障害を起こしているときは、血流量が少なくなっています。
そこで、しっかりと血液を循環させていくために、水分と塩分をしっかり摂取していきましょう。
目安として、水分は2リットル、塩分は10gを1日で摂取するようにしましょう。
1日3食しっかり食べていれば10g近くの塩分を摂取できますが、朝起きられず朝食も食べられない場合は、1日の塩分量が不足してしまいます。
また、水分もこまめにしっかり補給できるようにしましょう。
水分の目安は2リットルとなっているため、ペットボトルや水筒の量を参考に、自分がどれだけ飲んでいるか確認してみると良いです。
日中は寝転がらないようにする
朝起きるのが辛い、やる気が出ないといった症状が現れていても、極力日中は寝転がらないようにしましょう。
起立性調節障害によってますます身体を起こしにくくなり、自律神経も不安定になるばかりです。
つい横になって休みたくなってしまいますが、そんなときは椅子に座って背もたれにもたれかかるなどの方法を取って、しっかり寝転んでしまわないようにしましょう。
ストレスを適度に発散できるように
起立性調節障害を起こしているときは、自律神経だけでなくストレスも関係している場合があります。
そこで、ストレスを溜め込まないよう、適度に発散してみましょう。
自分の好きなことに夢中になれる時間を作る、親は子どもが頑張っている様子を見守り褒めてあげるといったように、心にゆとりを持って日々過ごすことで、子どもが抱えているストレスも徐々に緩和されていくでしょう。
学校の先生にも起立性調節障害という病気について知ってもらい、周りの子どもたちも理解してくれるような環境が出来上がれば、子どもも安心して通学することができます。
立ち上がるときはゆっくりと、長時間立つのは避ける
起立性調節障害を抱えているとき、急に立ち上がるということが困難になります。
そこで、立ち上がるときはゆっくりと身体を起こすようにしましょう。
うつむきながら起立して最後に頭を上げると、無理なく立てるとも言われています。
また、長時間立ったままの状態が続くと、血液が下半身にばかり集中するようになり、頭に送られる血液が不足してしまいます。
立つとしても数分といったわずかな時間にし、異変を感じたらすぐに座れる状態にしておくと安心です。
立っていなければいけないときは足を動かすようにしたり、クロスさせるなどして下半身に血液が溜まってしまうのを防ぎましょう。
長時間立っていたことで、その後体調不良になる場合もあります。
学校での式や行事ごとがあるときには、先生にきちんと伝えるようにし、様子を見てもらうようにしましょう。
起立性調節障害は、いつどんなときに現れるかわかりません。
誰にとっても、かかるリスクのある病気です。
そこで、どんな病気なのかを理解し、親子でしっかり考えることが大切です。
終わりに
起立性調節障害は、不登校の原因にもなりえる病気です。
ストレスや自律神経などが影響し、朝起きられない、学校に行っても体調が優れないといった不調を感じるようになります。
どんな病気なのかを理解し、対処法も合わせて確認しておきましょう。
親が見守ってあげることが何よりも大事であり、子どもにとっては安心できます。
病気に対する理解を深めながら、我が子の様子もしっかり見守ってあげましょう。
それと同時に、学校など周りに理解してもらうということも大切です。